改造攻略ルート考察(ロボカップジュニアサッカー)
ロボカップジュニアサッカーのロボット製作の攻略ルートを考察してみました。
これにはメンターの各種方針も入ってくるので、どれが正解というのはないと思います。
とはいえ、ある程度の一般化はできるのかな、とまとめてみました。
- KOROBO2ルート
KOROBO2はPalletIDEという付属ソフトでプログラムを作成しますが、TJ3Bでは普通に意識していた、センサーの反応の値が数値ではありません。反応したか、していないか、のどちらかです。つまりこれを「デジタル入力」と言います。
TJ3Bはセンサーの反応の値は0%から100%なので、連続で値が変わっていく、「アナログ入力」と言います。
でも、やってみると、デジタル入力だけでもサッカーのプログラムは結構組めるのです。
さらに初心者にはそのほうが分かりやすいかも、と思いました。アナログ入力でも値を使っているだけで、初心者のプログラムでは、例えば70%以上か以下か、の2つの判定しかしていないので、デジタルと動きは変わりません。
余計な値を意識せず、プログラムの組み方を純粋に工夫できるのがKOROBO2のいいところだと思いました。しかし、プログラムで使える入力が、ボタンも含めて6つ、コネクタは4つ、最初に拡張パーツを買うとほぼポートは埋まってしまうので、さすがに拡張して使っていくには厳しいところです。工夫次第では自作センサを試したりなど、ある程度はできそうですが、KOROBO2しか触っていない子どもたちが自分でやるのは厳しそうです。
この先どの方向のルートに進めばいいのかは、周りの教えてくれる人の環境によるでしょう。
- TJ3Bルート
改めて思うのは、さすがの拡張性でずっと使い続けられる機体です。
標準オプションだけでも、6CHモータードライバー、USS拡張基板、Pixy2、サブマイコン、とフルセットにすれば、特に基板設計なしに、全部乗せられてしまうのが強みです。
欠点としてはコストも相応にかかってしまうことですが、身近に教えてもらえる人に恵まれていない人には強い味方となると思います。
私のおすすめの実験としては、2ポートをデジタル出力に切り替えて、Hブリッジのモータードライバを制御してみるといいと思います。これはArduinoになっても絶対必要だからです。
さらには、マイコンのPICを単独で使い、説明書の回路図にならってサブマイコン基板を自作してみれば、回路設計も学ぶことができます。いきなりArduinoに移ると思えば、よっぽど楽ではないかと思います。C-STYLEも使い続けられます。
さらに、Arduinoに移る前に「μCORE」というほぼArduinoのようなものも用意されています。これの利点は、C-STYLEで動かせること。C言語が分からなくても、回路設計さえすれば、プログラムはなんとかなります。
これでモーター制御するにはちょっと裏技を使うと楽なのですが、それは別記事にします。
ここまで進んでからArduinoに進めば難なく進めることでしょう。
- Arduinoルート
ただ、高校ぐらいにならないと、なかなか回路設計とC言語を使っていこうというのは難しいところです。本などを購入して「Lチカ」(LEDをまずは光らせてみるプログラム)から始めると良いでしょう。
結局最後はここに到達するのだから、早くから始めるといいよ、という話もありますが、やっぱり敷居はある程度高いので、それで諦めて止めてしまうようなら本末転倒です。無理にTJ3Bなどから移行する必要はないと思います。自分のモチベーションと相談しながら無理なら旧機体に戻るつもりで試してみると良いかなと思います。
ただし、早くから始めることができたなら、かなりのアドバンテージとなるでしょう。
- LEGOルート
いい機械ですが、値段が高く、くみ上げるだけで動くのでとっつきやすい反面、制約もあって拡張性はそれほど高くないです。すでに持っていたり、別用途で購入したものを使うのならともかく、ロボカップ用にLEGOを購入する、というのはあまりお勧めしません。
だからなのか、LEGOはなんとなく、部活動向けのイメージがありますね。上級者になる前のチャレンジ用の機体としては良い素材と思います。
【2022/05/05追記】
- M5stackルート
コンパクトにパッケージングされた筐体でスマートにロボットが作れそう。
M5stack Gray(9軸センサつき)+4CHモータードライバ拡張の構成なら、中級者にもお勧めできそうと思ってたんだけど、Grayは販売停止になったみたい。次の9軸センサ搭載機待ちかな。Arduinoよりはちょっと高くなるけど、いろいろセットになっているものを考えれば安上がりとも感じる。一番のポイントはディスプレイとボタンでグラフィカルに表示できるところと、それらがすべてまとまっていてスマートに設計できそうなところ。
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