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できるだけ安く作った3輪オムニロボットの紹介

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2019年9月に開催された大垣オープンに持って行ったポスターです。 TJ3Bから3輪にしたいと思ったときに、一気にコストが高くなるのを何とかできないかと思って作ったロボットです。TJ3B+5,000円ぐらいで作れます。コンパスはGY-BNO055です。(工具代や送料は除く) 結果的に中級者が製作、制御するには厳しいものとなってしまいましたが、活用できる要素はあると思いますので公開します。 1.ボディはMDF なんたって、安いくて加工に特別な工具がいらない。もしホームセンターに3mmのMDFが売ってなくても100均にいけばMDFを使ったクリップボードがあります。レーザーカッターは精度の問題で、小型のノコギリや糸鋸で切れますし、私も最初は手で切っていました。 2.ボールセンサー、ラインセンサーは自作、超音波はUS-016 自作センサーは1個100円~400円ぐらいです。ボールセンサーは3個、ラインセンサー4個を並列にまとめて1ポート使用、超音波センサー4個、計8ポートをセンサーに使用しています。安い超音波センサーはHC-SR04が定番ですが、TJ3Bに接続するにはCN10からつながないといけないという制限があるので、US-016というセンサーをAliexpressで購入しました。出力がアナログなので、ボールセンサーなどと同じポートにそのまま接続できて、処理遅延も気になりません。 3.モータードライバー 3線の入力で正転、逆転、スピードを制御する「Hブリッジ」のモータードライバーを使用しています。500円ぐらいです。スピードを制御する出力のプログラムはちょっと工夫がいります。CN9, CN10と緑LEDを引っ張って入力につないでいます。秋月で買えます。 4.電源 あまり多いと充電が大変で、スペア電池の購入もばかにならないので、電池は単3ニッケル水素を6本使用しています。TJ3B本体用に2本、4本はTJ3Bの拡張端子と、3輪用のモータードライバーにつないでいます。TJ3B本体は3本ほうち1本をダミー電池にして2本の2.4Vで駆動しています。問題なく動きます。 5.オムニホイール アクリル2mmと3mmをレーザーカッターで切って作成しています。初心者を意識して作りやすさ重視で、サイドホイールは10個しかありませんが、競技用フィールドの

学校にかかわる最近の面白い取り組み②

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(前の記事) 学校にかかわる最近の面白い取り組み① から続き 面白い取り組みのもう一つが、「高校生向けPBL&ICT講座」です。こちらにも郡上ロボットクラブは全面協力体制で取り組んでいます。 この講座はどんなものかというと、郡上の困りごとを高校生が解決しよう、IT系の専門の大人はそれを全力でサポートしよう、という講座です。通常の地域課題の解決講座と違うところは、ロボット、ドローン、WEBアプリなど、技術系の専門家が最初からしっかりアサインされていて、最初から高校生の議論に入ってくれるというところです。 もうすでに2回の講座が終了したのですが、非常に面白いことになっていて、高校生と大人が本気で解決法を探るという場が作られつつあります。 この講座の大事なところは、講座が終わったときの成果物ではなく、高校生が自分たちだけでは解決できない課題に対して自らチームで解決を試みるというところです。なぜかというと、こういう機会が一般的な日本の学生時代には極端に少ないと思っているからです。高校生は大学に入ったら忘れてしまうような点数を取るための勉強に全力を費やしていていいはずがないのです。学生だからこそ、自由な時間があるからこそトライできることがあるはずです。身の周りで起こっている課題にチームで取り組むことによって、自分が向いていること、好きなこと、嫌いなこと、やりたいことが見つかるかもしれません。そして、課題解決に取り組むためには知識がいります。技術がいります。そこで自分の無知を知り、勉強の必要性を感じるかもしれません。 とにかく面白いです。その面白さにひかれて大人たちも集まってきているように感じています。 中学生、高校生だって大人顔負けのことができます。ただそういう場がないだけなんです。大人が子供扱いしているうちは、子供もそれに甘えて大したことはしません。暇にしたらろくなことをしないと思っているうちは、暇を見つけてろくなことをしません。やらされる勉強ばかりをして将来やりたいことが見つからないのは当たり前です。その責任は大人にもあります。学校の勉強は何のためにするのか、この動機付けを学生のころからしておくことは非常に価値のあることです。中学生、高校生の社会への活躍の場をつくることは、これからの郡上を維持していくうえで本当に必要なことだと思っています。

学校にかかわる最近の面白い取り組み①

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最近とても面白い取り組みにかかわらせていただいています。 二つともHUBGUJOにかかわるものです。HUBGUJOには二つの意味があって、ひとつはネットワークとオフィス機能を完備したコワーキングスペース。もう一つは郡上市にITを普及させる活動をしているNPO法人としての意味です。 郡上ロボットクラブはいま、コワーキングスペースのHUBGUJOに拠点を持っていて、NPO法人のほうにもいろいろお世話になっています。 一つ目の面白い取り組みは小学校のプログラミング体験講座です。2018年は市内半分の小学校、2019年は市内全小学校6年生を対象に行っています。この講師を今までの経験を活かしてやらせてもらっています。 そこで私のやっている授業は、プログラミング技術の習得ではありません。世の中のさまざまな機器に潜んでいるプログラムというものをちょっと見せてあげています。例えば信号機、炊飯器、洗濯機、などの話です。昔は学校で教える必要はありませんでした。だって、自分でやっていたことが機械化されたのだから、みんな何を機械がやってくれているか知っています。つまり、それが「プログラム」されているんだろうな、と分かったわけです。 でも、今の子どもたち、我々親世代ですら、もう気づいたころにはボタンを押せばご飯が炊ける生活になってしまっています。そうすると、ご飯を炊くということが「自分にできないこと」であり、「とても高度なこと」で、できる人は「すごい」となります。 これについては違和感がある人もいると思うのですが、これが、パソコンとかスマートフォンとかの話だと違和感がなくなる人もいると思います。つまり、ボタンを押して動かなくなってしまったとき、わかる人からみれば当たり前のことでも、わからない人からしたら、「自分にできないこと」であり、「とても高度なこと」で、できる人は「すごい」となります。 エンジニアからしたら、「ご飯が炊けること」と同じぐらい簡単なことが、ほかの人にはすごいことになりえます。 世の中が便利になるということは、自分でやることが減るということでもあり、自分の知らないことが増えるということでもあります。 これは一見生活は良くなっているようでありますが、とても危険なことだと思っています。なぜかというと、昔は自分で何とか出来たことが、現代ではできない人が増